山陰中央新報 2017年3月9日 掲載
※これまで報道されてきたフコイダン研究関連のニュースを掲載致します。
「フコイダン」の軟骨損傷の治癒促進作用に関する米国特許を取得
鳥取大学農学部(鳥取市湖山町南4丁目)と海産物のきむらや(境港市渡町、木村隆之社長)は共同で、モズクのぬめり成分「フコイダン」の軟骨損傷の治癒促進作用に関する米国の特許を取得した。関係者が8日、同大学で会見し、人の膝の変形性関節症の痛みの治癒効果などが期待される研究成果について説明した。
海産物のきむらやが沖縄産モズクから抽出したフコイダンの効用について、同学部共同獣医学科の岡本芳晴教授と同社の開発責任者・三木康成部長らが研究を続けており、2014年に米国特許を出願し、1月に取得した。
膝の変形性関節症の痛みや治癒へ効果を期待
実験では、大腿骨に直径2ミリ、深さ4ミリの穴を空けたウサギを12羽ずつ2グループに分け、一方のグループにはフコイダン入りの水を毎日200ミリリットル飲ませ、3週間後に損傷部位を比較した。
フコイダン水を飲んだウサギの損傷部分は、損傷前と同じ軟骨芽細胞などで再生されており、治癒促進効果が見られた。一方、飲まなかったウサギの損傷部分は、再生していたものの、線維芽細胞など非軟骨細胞によるもので同質ではなかった。
岡本教授は「動物で実験しているが、フコイダンは人の膝の変形性関節症の痛みや治癒に効果が見込まれる」と説明。三木部長は「今後はフコイダンが腸内環境の改善に及ぼす作用などについても研究を進めていきたい」と話した。
※本記事は(株)山陰中央新報社の許可を得て掲載しています。本記事の著作権は(株)山陰中央新報社に帰属します。