ウイルスと免疫とフコイダン

なるほど納得!フコイダン

Evidence 高分子もずくフコイダンエビデンス

総論 高分子もずくフコイダン研究~海産物のきむらや開発研究室の軌跡~

生活習慣病予防・疾病リスク軽減に関する研究成果

  • 抗がん効果(動物臨床)
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生活習慣病予防・疾病リスク軽減に関する研究成果

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What’s “Fucoidan” フコイダンとは?

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生活習慣病予防・疾病リスク軽減に関する研究成果

血栓症 ― 血栓性因子を抑制。脳梗塞/心筋梗塞の予防につながる研究

2008年11月20日に、大阪国際交流センターで開催された第31回「日本血栓止血学会学術集会」において、「フコイダンによる脂肪細胞の脂肪滴蓄積抑制」についての研究成果を鳥取大学医学部の研究グループが発表した1)。以下にその内容を要約する。

「線溶賦活剤」特許番号 特許第4428486号

生存率の上昇も―広がる可能性

血液は、ヒトを含む動物の体液の一種であり、生命維持に必要不可欠な機能をもっている。血液は、全身の組織に酸素を運び、二酸化炭素を肺に送って排出するという機能をもっているだけでなく、糖分、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を全身に運ぶ一方で、老廃物を腎臓に運んで体外に排出する役割を担っている。さらに免疫機能も有しており、ウイルス、真菌、細菌、がん細胞を認識し、分解・除去する機能を有している。

動物の体は、怪我などで血管が破壊され出血した際に、血液が固まることで流出を抑えて修復する機能をもっている。血液が凝固することで血栓を形成し、損傷箇所を塞ぐ。その後、損傷箇所が修復されると、血栓は溶かされ、分解される。血栓を血液に溶かす作用を線溶と呼ぶ。線溶の働きに異常が生じた場合、血栓症という疾患の原因となる。

血栓症は、血栓により血管が塞がれてしまい、虚血①梗塞②が起こる症状のことをいう。

血栓症を引き起こすひとつの原因として、肥満が挙げられる。血管内皮細胞が傷つきやすくなり、血栓が生じやすくなる。さらに、肥大した脂肪細胞③は、プラスミノゲン活性化阻害因子(PAI-1)④、および組織因子(TF)⑤の発現を活性化させ、血栓を血液に再び溶かし込む作用(線溶作用)を阻害することが明らかとなっている。

培養細胞を用いて血栓症予防につながる効果を確認

フコイダンが、肥大した脂肪細胞のPAI-1およびTFの発現に影響を与えるかどうか、培養細胞を用いて解析した。

フコイダン存在下(1μg/ml)で脂肪細胞を高濃度グルコースを含む培養液で培養した場合、PAI-1の発現量が顕著に抑えられていることが確認された。さらにTFの発現量も抑えられていることが確認された(図1)。このことから、フコイダンが血栓性因子の発現を抑制し、血栓症の発症を予防する可能性が示唆された。

加えて、高濃度フコイダン存在下(100μg/ml)で脂肪細胞を培養した場合、脂肪細胞の脂肪滴⑥蓄積が顕著に阻害された(図2)。

こうした結果から、フコイダンが脂肪細胞の肥大を抑えることが示唆しており、血管内皮細胞が傷つきやすくなることを抑える効果があると推測される。

図

【出典】 1)林輝ら フコイダンによる脂肪細胞の脂肪滴蓄積抑制と血栓性因子の遺伝子発現抑制 第31回日本血栓止血学会誌 19(5), 689(2008)

用語解説

①虚血/動脈の血量が減少することにより、体の一部分で起こる貧血。虚血がそのままの状態で続くと、細胞の形が変化したり、縮んだり、もしくは細胞が死んでしまったりする。

②梗塞/ 虚血が起こった後、血液が流れにくくなり、酸素や栄養が十分に行き届かず、酸欠に陥った部分の細胞が死んでしまう状態。

③脂肪細胞/細胞質内に多量の脂肪を持つ細胞。脂肪組織を構成する。空腹時や運動時など、エネルギーが不足した際には、脂肪を分解して大きなエネルギーを作り出す役割をもっている。加えて、脂肪組織はさまざまな生理活性物質を分泌する。血液凝固に関与する物質も分泌することが明らかとなっている。

④プラスミノゲン活性化阻害因子(PAI-1)/プラスミノゲンとは、血栓を分解するタンパク質「プラスミン」の不活性型の状態の名称である。プラスミノゲンは「プラスミノゲン活性化因子」によって活性型であるプラスミンに変えられる。プラスミノゲン活性化阻害因子(PAI-1)は、プラスミノゲン活性化因子と結合して、その働きをさまたげるタンパク質の一種である。その結果、プラスミノゲン(不活性型)はプラスミン(活性型)になることができず、線溶(血栓を血液に再び溶かし込む作用)の働きがさまたげられる。

⑤組織因子(TF)/血液凝固を開始させるために必要なタンパク質の一種である。少量の出血でも致命的になるような臓器(脳や肺や胎盤)に多く分布している。

⑥脂肪滴/ 細胞質内に存在する脂肪の小滴。その中には中性脂肪が蓄えられている。肥満状態のとき、中性脂肪が過剰に脂肪滴に蓄積している。

動画資料

分かりやすいフコイダン研究のご紹介「海産物のきむらや~もずくの神秘に挑む~」は、
こちらからどうぞ。

海産物のきむらや開発研究室と鳥取大学、島根大学などとの共同で実施した研究において、抗がん効果、抗がん剤副作用抑制効果をはじめ、高分子もずくフコイダンがもつ生理活性作用についてわかりやすく紹介。

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