ウイルスと免疫とフコイダン

なるほど納得!フコイダン

Evidence 高分子もずくフコイダンエビデンス

総論 高分子もずくフコイダン研究~海産物のきむらや開発研究室の軌跡~

生活習慣病予防・疾病リスク軽減に関する研究成果

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生活習慣病予防・疾病リスク軽減に関する研究成果

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生活習慣病予防・疾病リスク軽減に関する研究成果

痛風・尿路結石 ― 尿のpHをアルカリ化。痛風の予防につながる効果。

鳥取大学医学部の研究グループが解明

フコイダン投与前後の尿のpH(n=11)

2009年2月19、20日に、京王プラザホテルで開催された第42回「日本痛風・核酸代謝学会」総会において、高血圧患者に対して海藻のもずくおよびもずくから抽出されるフコイダンが尿のpHのアルカリ化に有用であることを、鳥取大学医学部の研究グループが発表した1)。以下にその内容を要約する。

フコイダンの尿pHをアルカリ化する作用を確認

尿は、腎臓により生産され体外に排出される、液体の排泄物である。尿には、老廃物を体外に排出する役割と、体内の浸透圧を調節する役割がある。人間の尿は、ある程度の幅でpHが変化するが、pHが6.0未満のものを酸性尿という。

酸性尿は、高血圧、痛風①高尿酸血症②高脂血症③耐糖能異常④、肥満が合併するメタボリックシンドロームの患者に生じる。これは患者の体液が酸性化することで尿中に尿酸が溶けにくくなり、体内に蓄積。血中の尿酸値が上がり高尿酸血症となり、痛風発作を引き起こす危険性が上昇するからである。また、尿路結石症⑤蛋白尿⑥などの腎機能障害を発生する危険性も同様に上昇する。

フコイダンが酸性尿改善の効果があるかどうかを調べるため、試験期間中は海藻食品の摂取を中止してもらい、尿のpH測定は起床時、昼食前、夕食前に自分で測定して試験を行った。同意を得た高血圧患者11名にフコイダンを1週間摂取しない時と、朝・昼・夕の3回、フコイダンを摂取した時の尿pHの変化、血液・尿検査を行って調べたところ、pHが上昇し、アルカリ性に変化することを突き止めた(図2)。

また、もずくを1日1食摂取した場合でも、同様に尿のpHがアルカリ性にシフトすることが分かった。フコイダン摂取前より血清尿酸値、尿中尿酸排出率、尿酸、クレアチニンクリアランス⑦の低下傾向が見られた。

尿アルカリ化剤との併用で効果アップ

酸性尿の患者に、尿をアルカリ性にする薬剤としてクエン酸ナトリウム・カリウム製剤を服用してもらうことがある。そこで、クエン酸製剤とフコイダンの効果を比較してみた。

フコイダンは、クエン酸製剤と同等かそれ以上の効果があることを確認した。さらに、クエン酸ナトリウム・カリウム製剤を先行投与した後にフコイダンを投与することで、さらに尿pHをアルカリ化できることがわかった。フコイダンの尿アルカリ化作用がクエン酸ナトリウム・カリウム製剤の作用と独立していることも確認した。

これらの結果より、フコイダンが酸性尿の改善に効果的であることが示された。

【出典】 1)白吉安昭ら モズクならびにモズク抽出物フコイダンの高血圧患者尿pHに及ぼす影響 第42回日本痛風・核酸代謝学会総会 プログラム・抄録集, 49(2009)

用語解説

①痛風/高尿酸血症などが原因で関節炎を生じる疾患で、痛みを伴う。血液中の尿酸が増加し、結晶化、関節部に付着すると、免疫システムがこの結晶を外部からの異物と誤認し、攻撃することで炎症が起きる。

②高尿酸血症/血液中の尿酸が異常に高濃度存在する状態・症状。一般的には血液中の尿酸濃度が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症とされる。

③高脂血症/近年、脂質異常症と呼ばれるようになった。血液中に含まれる脂質が過剰の場合を主に高脂血症と指すが、脂質異常症では過剰もしくは不足している状態を指す。

④耐糖能異常/経口ブドウ糖負荷試験において、正常型と糖尿病型のいずれにも含まれない「糖尿病予備群」と言われる状態。

⑤尿路結石症/ 尿路系に沈着する結晶の石、もしくは、その石が詰まってしまう症状で、石のできる部位により腎結石、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれる。

⑥蛋白尿/通常は検出されることのない蛋白質が検出された尿のこと。疾患の検査の指標の一つとして用いられるが、病気でない場合でも運動や体位などにより見られることもある。

⑦クレアチニンクリアランス/血清中の腎臓が身体の老廃物を排泄する能力を計算し、腎機能を推定する検査。Ccrと表示されることが多い。クレアチニンは筋肉の代謝産物として生産、腎臓に送られ、尿中に排出され、検査ではCr、CRE、CREAと略されることが多い。クレアランスは腎臓などの排泄能力の大きさを示す。

動画資料

分かりやすいフコイダン研究のご紹介「海産物のきむらや~もずくの神秘に挑む~」は、
こちらからどうぞ。

海産物のきむらや開発研究室と鳥取大学、島根大学などとの共同で実施した研究において、抗がん効果、抗がん剤副作用抑制効果をはじめ、高分子もずくフコイダンがもつ生理活性作用についてわかりやすく紹介。

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