フコイダンという成分を調べていると、よく「分子量」というキーワードを見かけます。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、一体「分子量」とは何を指す言葉なのでしょうか。
分子量とは「重さ」
「分子」とは原子を組み合わせたものであり、全ての物質は原子からできています。分子量とは、この分子に含まれる原子量の和、すなわち重さを指しています。
しかし、原子は非常に小さいので、目で見ることも触ることもできず、一つで何キロというように量ることはできません。そこで分子量は、あるひとつの原子を「物差し」とし、相対質量で表す方法がとられました。
弊社開発研究室に置かれた フコイダンの分子構造モデル。
見学者が来られた時などの、説明に使用する。
平均分子量」で表すワケ
近年「物差し」とされている原子は炭素で、相対質量は12です。この場合の水(H2O)の分子量は、水素が1、酸素が16なので、1*2+16=18になります。このように簡単な構造のものは、比較的計算しやすいですが、フコイダンのように、非常に複雑な化学構造をしている成分は、このように単純に表わせられません。フコイダンなどの高分子の成分は、一般的に、数種の分子が多数繰り返して構成されているので、「平均分子量」で表します。
分子量は物性に影響を与える
弊社で研究している「高分子もずくフコイダン」の分子量が、平均30万レベルといっているのも、このためです。平均分子量は、平均の取り方の違いにより、数平均分子量や重量平均分子量など異なる種類があるので、どのような種類の平均分子量かを、明確にする必要があります。また、平均分子量が等しい試料でも、分子量分布の形が違えば、その物性は違ってくるなど、とても複雑です。分子量が影響を与える物性は、沸点や粘性、凝固点降下などです。また、逆に物性への影響を利用して、分子量を測定することもできます。