フコイダン用語集⑩ 「痛風・尿路結石」

よくわかるフコイダン用語

結石が尿管を塞ぐことで発症する「尿路結石」

尿路結石とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道にできやすく、男性は40歳代、女性は閉経後の50-70歳代に多く発症します。結石は多くの人にできていますが、結石が尿管よりも小さい場合は自然に排尿とともに排出されて痛みもありません。しかし、結石の大きさが尿管と同等もしくは大きい場合は尿管が塞がれてしまうことで、腎臓で尿が作られるにつれて圧力が高まり激痛を生じさせます。

 

尿が「酸性」になると、痛風・尿路結石のリスクが高まる

pHとは水溶液の性質を示し、pH7付近を中性、pH7より小さい場合を酸性、pH7よりも大きい場合をアルカリ性といいます。尿はある程度の幅でpHが変化しますが、pHが6.0未満に下がった状態を酸性尿といい、高血圧、痛風、高尿酸血症、高脂血症、耐糖能異常、メタボリックシンドロームの患者で生じやすくなります。pHは7.0が中性で、正常時は体液や尿はほぼ中性から弱酸性に保たれています。酸性化した患者の体液では、尿中の尿酸が溶けにくくなり、痛風や尿路結石症を発生する危険性も高くなってしまいます。

もずくのフコイダンで、尿のアルカリ化に期待

もずくのフコイダンは、鳥取大学医学部の研究グループによると、高血圧患者11名に対して行った試験で尿のpHをアルカリ化させる作用が報告されています。そのためもずくのフコイダンは尿のpHを上げて正常時の尿である弱酸性へと傾けることで酸性尿を防ぎ尿路結石の危険性を軽減すると考えられます。もずくのフコイダンは尿路結石再発防止の切り札なのです。

 

 

 

 

 

【出典】 1)白吉安昭ら モズクならびにモズク抽出物フコイダンの高血圧患者尿pHに及ぼす影響 第42回日本痛風・核酸代謝学会総会 プログラム・抄録集, 49(2009)

フコイダン用語集⑨ 「特許」

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フコイダンを調べていると、「特許〇〇号を取得」、「特許取得 〇〇製法」などというキーワードをよく見ます。これはフコイダンに限らず、様々な商品の広告で、見かけるフレーズです。しかし、改めて、特許とは何か?と聞かれると、意外と説明できない方も多いのではないでしょうか。今回は、「特許」についてお話ししましょう。

特許とは「権利」

特許とは、有用な発明をした者に対して、その発明を公開する代わりに、一定期間、その発明を独占的に使用することができる権利(特許権)を国が与えるものです。

特許は出願してすぐに認可されるものではなく、特許庁の審査官によって「過去の特許と重複していないか」「特許の要件を満たしているか」などについて審査され、合格したものだけが認可される制度なのです。

 

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特許となるための要件は三つ

「発明」が特許を受けるための要件は三つあります。第一に、産業として実施できなければなりません。単純に研究でしか利用できない発明は「産業の発達」を図るという特許法の目的に合致せず、保護に値しないからです。

第二に、過去に公開されたり、実施されたり、出版された発明は特許になりません。特許として認められる「発明」は、今までにない「新しいもの」である必要があります。既知の発明に特許権という独占権を与えることは、社会の利益にならないからです。

第三に従来の技術を少々改良しただけの発明のように、どんな人でも簡単にできてしまう発明については、特許は認められません。科学技術の進歩に貢献しない自明の発明には、特許権を与えるほどの意義はなく、簡単な発明でも特許権が認められるとすると、日々行われている技術的な改良についても次々出願しないと別の人に独占されてしまい支障が出ることになってしまいます。

 

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弊社が取得してきたフコイダンの特許

特許の数は、研究力の証

海産物のきむらやは、これまでにフコイダンについての特許を計17件取得しています。言い換えると、海産物のきむらやによって取得されたフコイダンの特許は、試験結果をもとにした、「産業の発達を図り」、「今までにない新しさを持ち」、「誰もが簡単にできない発明」であるのです。

それゆえにフコイダンの場合でも、試験を行って、試験結果を解析して、特許を出願して、審査を受けて特許として認可されるまでに、多くの年月を要してしまいます。フコイダンの発明を特許にするには、積み重ねた研究力が必要なのです。

フコイダン用語集⑤ 「分子量」

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フコイダンという成分を調べていると、よく「分子量」というキーワードを見かけます。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、一体「分子量」とは何を指す言葉なのでしょうか。

分子量とは「重さ」

「分子」とは原子を組み合わせたものであり、全ての物質は原子からできています。分子量とは、この分子に含まれる原子量の和、すなわち重さを指しています。

しかし、原子は非常に小さいので、目で見ることも触ることもできず、一つで何キロというように量ることはできません。そこで分子量は、あるひとつの原子を「物差し」とし、相対質量で表す方法がとられました。

 

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弊社開発研究室に置かれた  フコイダンの分子構造モデル。

見学者が来られた時などの、説明に使用する。

平均分子量」で表すワケ

近年「物差し」とされている原子は炭素で、相対質量は12です。この場合の水(H2O)の分子量は、水素が1、酸素が16なので、1*2+16=18になります。このように簡単な構造のものは、比較的計算しやすいですが、フコイダンのように、非常に複雑な化学構造をしている成分は、このように単純に表わせられません。フコイダンなどの高分子の成分は、一般的に、数種の分子が多数繰り返して構成されているので、「平均分子量」で表します。

分子量は物性に影響を与える

弊社で研究している「高分子もずくフコイダン」の分子量が、平均30万レベルといっているのも、このためです。平均分子量は、平均の取り方の違いにより、数平均分子量や重量平均分子量など異なる種類があるので、どのような種類の平均分子量かを、明確にする必要があります。また、平均分子量が等しい試料でも、分子量分布の形が違えば、その物性は違ってくるなど、とても複雑です。分子量が影響を与える物性は、沸点や粘性、凝固点降下などです。また、逆に物性への影響を利用して、分子量を測定することもできます。

フコイダン用語集④ 「共同研究」

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フコイダンに限らず、いわゆる「健康食品」と呼ばれるものの成分名で情報を探していると、「共同研究」というキーワードによく出会います。なんとなくイメージが湧く方は多いと思いますが、実際はどのような研究を「共同研究」というのでしょうか。

得意分野を互いに補う「共同研究」

共同研究とは、大まかにいうと文字通りに、共同で研究することをいいます。研究者2人で行う小規模なものから民間企業同士の共同研究、さらには国家レベルでの研究機関の広域連携による研究など規模や形態は様々です。共同研究のメリットとしては、お互いの得意とする技術や能力を組み合わせ、研究者間のコミュニケーションを活発に行うことにより、問題の早期解決や優れた成果を上げるチャンスが広がることです。

大きな利点は人的資源、知的財産の有効活用

さて、今回は民間企業と研究機関(大学など)との共同研究について説明したいと思います。大学と企業の共同研究は、一般的には、民間企業などから研究者や研究経費を大学に受け入れて、共同もしくは分担して研究を行うという制度です。企業にとっての共同研究の大きな利点は、大学の持つ人的資源や知的財産、研究開発力を有効に利用できる点にあります。加えて共同研究のテーマは、民間企業などからのニーズを踏まえて、双方が協議して共通の課題を設定することで決定されます。

 

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フコイダンは特に、「消費者の声」も元にテーマを設定

フコイダンについての共同研究も、民間企業が消費者から汲み取った「声」をもとにニーズを抽出し、ニーズを解析してテーマを設定します。そして設定したテーマに沿って、動物や培養細胞を対象としたフコイダンの新たな機能性の評価試験やヒト(健常者や患者)を対象とした臨床試験が計画され、中長期的な期間で実施されています。

よく似た制度で受託研究というものがありますが、この制度は民間企業などから特定のテーマについて、大学などの研究機関が委託を受けて検査や評価を短期的な期間で実施する研究です。フコイダンを例にして言い換えると、民間企業が商品開発を進め、大学に研究材料としてフコイダンを提供し、研究員を派遣し共同でフコイダンの研究をすることで、フコイダンの機能性研究が深められているのです。

フコイダン用語集③ 「食物繊維」

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「フコイダンは食物繊維の一種です」という説明をよく見かけます。確かにその通りですが、そもそも食物繊維とは何でしょうか。何となく自然的で、体に良さそうなイメージを持つ方が多く、正確な意味をご存じの方は、意外と少ないのではないでしょうか。ここで、食物繊維の定義について、ご説明いたします。

 

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太陽の輝きの下、育つ”沖縄もずく”。フコイダン、アルギン酸などの食物繊維に富む。

食物繊維 ─── 人の消化酵素で分解されない成分

「食物繊維とは」で検索してみてください。おそらく、”人の消化酵素では分解できない成分”といった説明が出てくると思います。そう、食物繊維とは、自然に生まれたものだからでも、繊維状の成分だからつけられたものでもありません。「人の消化酵素で消化されない、難消化性成分」の総称としてつけられた名前が「食物繊維」なのです。

一般的に、「消化」とは、胃酸や消化酵素などによって、食品が”低分子成分”に分解される現象を示します。また、吸収とは食品に含まれる栄養素が消化されて、小腸や大腸から取り込まれる現象です。

消化できない=役立たず の公式を崩した研究

フコイダンを含む「食物繊維」は、胃酸や消化酵素では分解されにくい性質を持ちます。そのため、長い間、栄養学的には役に立たないものとされてきました。

しかし、イギリスの医師が、大腸癌にかかることが稀なアフリカ原住民と、大腸癌の多いイギリス人とを比較した結果、「アフリカ原住民がイギリス人の約4倍の食物繊維を摂取していること」や「1日の排便量も約4倍であること」などから、食物繊維の摂取量と大腸の病気の相関性を見つけました。

そして1970年代に論文で発表。食物繊維は一躍注目されるようになったのです。とはいえ、食物繊維を摂っている人の大腸癌の発生率は必ずしも低くはなく、食物繊維の摂取量と大腸ガンの発生率には関係がないとする意見もあります。「食物繊維さえ摂っていれば、大腸癌が予防できる」という単純なものではないのでしょう。

食物繊維のもつ”三次機能”

また、最近の食物繊維に関する研究では、栄養素としての働きだけではなく、別の働き(三次機能)を持つことも分かってきました。食物繊維の三次機能として、「便の量を増やして便秘を防ぐ」ことや「心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立つ」ことなどが報告されています。

 
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「低分子」と食物繊維

一般的に低分子フコイダンは吸収され易い、といわれますが、低分子でも高分子でも、分子量に関わらず、フコイダンは人体の構成成分ではないため、体内に栄養素として消化吸収されることはありません。食品を体に生かすには、栄養素(一時機能)、美味しさ(二次機能)だけでなく、三次機能への視点が大切なのです。

フコイダン用語集② 「海産物のきむらや」

よくわかるフコイダン用語

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フコイダンを自社で製造、研究している企業は、国内に決して多くありません。その中でも、創業から40余年、沖縄もずくの品質にこだわり、フコイダンの機能性研究と、味付もずくなどの加工食品の製造に力を入れてきたメーカが、海産物のきむらやです。

原点はもずくの行商。味付もずくメーカのパイオニアとして。

創業は昭和47年3月。創業者・木村隆之が始めた、もずくの行商が全ての原点です。13年間行商を続け、もずくの品質を追い求めた結果、沖縄県最北端にある伊平屋島へたどり着きました。旅館の板前の味付けなどを参考に、本格的な味と、家庭でいつでも食べられる手軽さを両立させた「味付もずく」(個食パック)を他社に先駆けて開発。やがて、もずく製造メーカーのパイオニアとして飛躍的な発展を遂げていきました。

ヌメリに含まれる「フコイダン」に着目

その後、社内に研究開発部門を設け、酵母などを中心とした微生物の研究に着手。その延長から、近年は国立大学などの教育機関と、もずくのヌメリ成分に含まれる「フコイダン」の研究に力を注いでいます。鳥取大学とは33件の共同研究を行い、フコイダンの化学分析や安全性、そして機能性について解明。海外からも多くの注目を集めています。

フコイダン用語集① 「フコイダン」

よくわかるフコイダン用語

近年、「フコイダン」といわれる成分が、抗がん効果、抗癌剤の副作用抑制効果などで注目を集めています。その他、痛風、血栓症、インフルエンザなどに対する効果も検証され、健康食品の素材や化粧品、医療などへの利用に、期待が寄せられています。

もずくなどの褐藻類のヌメリに含まれる機能性成分

フコイダンとは、海藻の中でも、もずく、昆布、ワカメ、ヒジキ等の褐藻類(褐色の藻類)に多く含まれている成分です。他にも、ナマコなどの棘皮動物(きょくひどうぶつ)の一部にも含まれています。フコイダンは、約100年前にスウェーデンのキリン教授によって発見されました。しかし、藻類の種類、部位、採取時期、個体の成長度などによって、化学構造が異なっていることが報告され、そのためにフコイダンの化学構造は、中々解明されませんでした。

5つの糖と2つの硫酸基が、一つの答え

現在でも、全てのフコイダンの化学構造が解明されたわけではありませんが、オキナワモズクのフコイダンの化学構造については、1996年に琉球大学農学部のグループが発表したものをはじめとして、複数の報告があります。これらの報告によると、オキナワモズクのフコイダンは5つの糖(4つのフコース、1つのグルクロン酸)と2つの硫酸基からなる構造をひとつの単位(分子量約1,000)として、繰り返し構造をしていると考えられています。

フコイダン「比較」における問題

このように、フコイダンの化学構造については、まだ明確な基準がないため、どれが良いフコイダンなのか?という判断は難しい場面が多いでしょう。「フコイダン」をインターネットで検索すると、高分子フコイダン、低分子フコイダンなど、様々な名前が出てきます。分子量がいくつであれば、硫酸基がいくらであれば、フコースがいくらであれば、「合格である」といった統一された基準はありません。そのため、指標が各自でバラバラになり、様々な「独自のフコイダン」が氾濫して、選ぶ側としては、とても分かりにくい状況を招いてしまいました。

指標とすべきは、エビデンスレベル

その中で、海産物のきむらやは、指標の一つとして、「エビデンスレベル」を考えました。「もずく」に長年携わった経験を生かし、フコイダンを多く含むと報告されているオキナワモズクに着目して、フコイダンの製造方法を長年研究。やがて平均分子量30万レベルの「高分子もずくフコイダン」を精製することに成功し、これまでに、フコイダンの研究成果で、特許を13件取得しました。自社の発表だけではなく、学術論文、特許など、第三者の目を通して評価の高いものが、信頼のおけるフコイダンといえるでしょう。

しかし、エビデンスレベルの判断は、専門家でなければ、中々難しい部分があります。製造方法、分析方法、安全性、有用性などを総合的に評価した、分かりやすい統一基準が待たれる所です。

 

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特許の取得件数も、信頼へのひとつの目安

動画資料

分かりやすいフコイダン研究のご紹介「海産物のきむらや~もずくの神秘に挑む~」は、
こちらからどうぞ。

海産物のきむらや開発研究室と鳥取大学、島根大学などとの共同で実施した研究において、抗がん効果、抗がん剤副作用抑制効果をはじめ、高分子もずくフコイダンがもつ生理活性作用についてわかりやすく紹介。

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