フコイダン用語集⑥ 「もずく」

なぜなぜフコイダン相談室

フコイダンのことを調べていると、その原料となる海藻の「もずく」や「コンブ」の情報も、よく目につきます。もずくと共に、40余年生きてきた弊社にとって、もずくは食感・味・健康効果、ともに、世界に誇る素晴らしい食材です。今回は、その「もずく」について、少し紹介させて頂きます。

最も食べられているのは「オキナワモズク」

もずくと一言でいっても、様々な種類があります。主に食べられているのは、オキナワモズク、イトモズク、フトモズク、キシュウモズクなどです。中でも、太い身をもつ「オキナワモズク」は、通称「太もずく」として親しまれ、現在、国内で最も食べられているもずくになります。調理方法としては、昔ながらの三杯酢による味付が一般的で、スーパーに並んでいる個食パックも、酢で味付けしたものが中心です。最近は、自分の好きな調味料やレシピに合わせたい方も増え、味付なしの「洗いもずく」も人気があります。こちらは、お鍋や味噌汁の具に使われたり、夏場はめんつゆを付けて、そうめんのように味わっている方もおられます。

 

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もずくの殆どは養殖もの?

もずくは繊細な海藻なので、育つ環境がとても大切です。質のよいオキナワモズクは、光合成を促すように透き通る、綺麗な海でしか育つことができません。そのため、全体の9割以上が、沖縄で養殖されています。ここで「養殖」と聞くと、水槽のようなものでもずくを育てている姿を想像する方もいますが、それは違います。

オキナワモズクの養殖は、水深2~5mの海底で行われます。養殖網とよばれる網に、オキナワモズクの胞子を植え付けて海中に沈め、数十センチ以上の大きさに育つまで、漁師さんが毎日海底に潜り、小魚、外敵、異物など、手作業で除去して見守ります。これほど手間をかけているからこそ、沖縄のもずくは美味しく、品質に優れているのです。

 

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フコイダンに富む海藻「もずく」

 

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もずくの表面には、フコイダンやアルギン酸などの多糖類が含まれます。これらは外敵や刺激から身を守るために、長い年月を経て、自然に備わった防御機能と考えられています。このフコイダンの含まれる量は、海藻の種類、産地、採取時期によって異なりますが、オキナワモズクが最も多いと報告されています。そのため、フコイダンの抽出には、良質で、効率も良い「オキナワモズク」の評価が高く、健康食品の素材として、広く利用されています。

フコイダン用語集⑤ 「分子量」

よくわかるフコイダン用語

フコイダンという成分を調べていると、よく「分子量」というキーワードを見かけます。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、一体「分子量」とは何を指す言葉なのでしょうか。

分子量とは「重さ」

「分子」とは原子を組み合わせたものであり、全ての物質は原子からできています。分子量とは、この分子に含まれる原子量の和、すなわち重さを指しています。

しかし、原子は非常に小さいので、目で見ることも触ることもできず、一つで何キロというように量ることはできません。そこで分子量は、あるひとつの原子を「物差し」とし、相対質量で表す方法がとられました。

 

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弊社開発研究室に置かれた  フコイダンの分子構造モデル。

見学者が来られた時などの、説明に使用する。

平均分子量」で表すワケ

近年「物差し」とされている原子は炭素で、相対質量は12です。この場合の水(H2O)の分子量は、水素が1、酸素が16なので、1*2+16=18になります。このように簡単な構造のものは、比較的計算しやすいですが、フコイダンのように、非常に複雑な化学構造をしている成分は、このように単純に表わせられません。フコイダンなどの高分子の成分は、一般的に、数種の分子が多数繰り返して構成されているので、「平均分子量」で表します。

分子量は物性に影響を与える

弊社で研究している「高分子もずくフコイダン」の分子量が、平均30万レベルといっているのも、このためです。平均分子量は、平均の取り方の違いにより、数平均分子量や重量平均分子量など異なる種類があるので、どのような種類の平均分子量かを、明確にする必要があります。また、平均分子量が等しい試料でも、分子量分布の形が違えば、その物性は違ってくるなど、とても複雑です。分子量が影響を与える物性は、沸点や粘性、凝固点降下などです。また、逆に物性への影響を利用して、分子量を測定することもできます。

動画資料

分かりやすいフコイダン研究のご紹介「海産物のきむらや~もずくの神秘に挑む~」は、
こちらからどうぞ。

海産物のきむらや開発研究室と鳥取大学、島根大学などとの共同で実施した研究において、抗がん効果、抗がん剤副作用抑制効果をはじめ、高分子もずくフコイダンがもつ生理活性作用についてわかりやすく紹介。

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